工具

整備のプロが1から工具を揃える手順を説明します

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国家自動車整備士として長年整備の仕事をしてきました。

工具の魅力に目覚めてしまい、実際の作業で使うものから「これ本当に使うの?」って工具まで集めてしまう工具マニアになってしまいました。

その経験を元に色々な工具記事を書いています。

工具に関する記事を色々書いた中で、工具の揃え方の基本的な説明がないことに気づきました。

そんな訳で、今回は「一から工具を揃えるにはどうするの?」って部分を説明していきます。




工具の揃え方は2通り

好きなように気になる工具をざっくり集めるのも楽しいのですが、やはり工具は使ってなんぼです。

何も考えずに買ってしまって使わない工具が増えるのも悲しいので、極力そうならないように考えると、

  • 最初に工具セットを買い、後から必要になったものを買い足す
  • 作業上で必要な工具をその都度買って揃える

以上の二通りの揃え方になります。

セット工具を初めに買い、後から少しずつ買い足す

最初にある程度基本的な工具がまとめられている工具セットを買い、足りない工具や不満な工具を後から買い足すという方法が1つ。

工具セットはホームセンターで売っているような格安のものから、プロが現場でハードに使う一流メーカーのものまであります。

詳しくは後述しますが、極端に安い工具は品質が悪く、最悪の場合部品を壊してしまう恐れがあります。

極力品質の良いものを選ぶのがポイント。

その都度、作業に必要な工具だけを買う

2つ目の方法は、まず行いたい作業ありきで、その作業に必要な工具をその都度買っていくというスタイルです。

例えばエンジンオイルの交換を自分でしたい…となれば、

  1. ドレンボルト脱着用にメガネレンチorコンビレンチ
  2. 廃油を受ける為のオイルパン・給油用のオイルジョッキ
  3. 清掃用のパーツクリーナー、キムタオル(ウエス)
  4. エレメントも交換するならフィルターレンチとラチェット、エクステンションも必要

この場合は上記のものが必要になります。

このように必要な作業に合わせて、こまめに買いに行くという方法ですね。

セット工具を最初に買う場合

メリット

最初から殆どの作業が出来る

一例として、この工具セットを最初に買ったとします。

このトネの工具セットは、プロも愛用している信頼性の高いセットです。

詳しいセット内容は上記のリンクから確認できますが、これがあればほとんどの整備はできます。(効率まで考えると別の話になりますが)

あとは細々とした工具(自車用のオイルフィルターレンチプラグレンチ)を買い足すだけで、大体の作業をする上で困ることはなくなるでしょう。

バラで買うより安い

セットで購入すると、それぞれの工具を単品で買うより安く揃えられます。

上のセットだと、それぞれ単品で購入した場合は5万円くらいになります。

ツールチェストだけで1万円を超えてしまうので、セット販売されている工具はトータルで安く済みます。

デメリット

初期費用が高い

これが一番の問題ですが、工具セットは初期費用が高いです。

安いものもあるんですが、安い工具セットは加工が甘かったりセットの点数が少なかったり、品質に問題がある場合が多いです。

高いものを見てしまうとキリがないのですが、出来れば初期費用として3~5万円くらい準備して、シグネットや上記のトネ、KTCなどのしっかりしたメーカーのものを買っておきたいところです。

同一のメーカーで工具編成が固まりがち

当然のことですが、トネの工具セットを買った場合は基本工具が全てトネ製になります。

安くまとめて揃えられることを考えるとあまり文句は言えないのですが、工具ってメーカーに寄ってアイテムの得手不得手があります。

極めて個人的な意見で恐縮ですが、筆者はトネのレンチ類・ソケット類を高く評価していますが、ドライバーがあまり好きではありません。

普通に使う分には問題ないのですが、グリップが滑りやすいというか、力が入れにくいというか…まあ、あくまで個人的な合う合わないの話です。

同一のメーカーで工具を固めてしまうと、こういったデメリットもあります。

セットを初めに買うパターンはこんな人に向いている

まとめると、工具セットを最初に買うのは以下のような方に向いています。

  • 何から工具を揃えたらいいか分からない・不安な人
  • 最初に一通り工具を揃えて、多くの作業に対応出来るようにしたい人

バラで工具をその都度買っていく場合

メリット

自分に必要な作業の分だけをピンポイントで揃えられる

例えば

「今日はスパークプラグの交換をしよう!」

と思い立った場合、必要な工具は

  1. エアーエレメントケース・イグニションコイルを外すための10mmTレンチ(ソケット可)
  2. プラグカバーを外すための8mmTレンチ(ソケット可)
  3. プラグレンチ・エクステンションバー・ラチェットハンドル

以上になります(※筆者の車の場合を一例としました)

上記の工具を全て買った場合、極端に高いメーカーを除外すれば3000~5000円くらいで全て買えます。

作業内容に合わせた出費で抑えられるのが大きいメリットです。

こだわって工具を揃えられる

僕の場合を例に出しますと、

こんなこだわりがあります。

こだわって揃えるとどうしても高くつくことが多いのですが、自分が行う作業内容や、手の大きさやクセなどに柔軟な対応が出来るため、快適に作業をしたい場合はこだわって揃えることを推奨します。

デメリット

ある程度品数が揃うまで作業が不便

1から工具を揃えていく場合、当然ですが最初は殆ど手元に工具が無いです。

上で例に上げたスパークプラグ交換作業の場合、他の作業はあまりできません。

一例ですが、

  1. スパークプラグを交換するためにエンジンルームを点検
  2. 点検したところ、プラグOリングに劣化があったため合わせて交換が必要だった

こんな場合は、さらに追加の工具が必要になります。

せっかく取り外した部品を組み付けて車を運転、工具を買ってきてから再び分解して部品交換作業…

 

工具がある程度そろってくるまでは、こういった面倒な事態になりやすいです。

品数が増えてくるとセットで買うより割高になる

セットでなくその都度バラで工具を買っていると、当然ですがセットでまとめて買うよりは高くなってしまいます。

また、強い工具へのこだわりがある人は高級工具を買いがちなので、さらに出費がかさんでしまう恐れがあります。

最近発売された(2018年5月現在)数量限定の、ネプロス鉄紺シリーズという工具があります。

ネプロスの工具は美しさ・強度・人間工学に基づいた使いやすさなど極めてハイレベルですがお値段が強気です。

欲を言えば欲しいのですが…

バラで工具を揃えるのが向いているのはこんな人

  • 作業に必要な工具を前もって段取りできる
  • 初期費用をかけたくない人
  • 近所に品揃えの良い工具屋さんがある

筆者は先にセットで工具を買い、さらにバラで大量に買い足しました

ここまで説明してきましたが、僕が工具を揃えた手順はセット買いとバラ買いのハイブリッドです。

具体的には

  1. 整備士としてデビューすると同時にKTCの工具セットを購入
  2. MacToolsのフレックスラチェットを買い、高級工具に目覚める
  3. Snap-onのツールキャビネットをローンで購入、上にKTCのチェストを乗せて運用
  4. Snap-on、MacToolsを中心に様々な工具を買い足す
  5. 予算に応じて、シグネットやネプロスにも手を出す
  6. ドイツ工具の魅力に目覚め、ハゼットやスタビレーにも手を出す
  7. 今まで工具に使った金額は7桁万円オーバー

このような手順です。

今考えれば買わなくても良い工具も結構あり、効率的とは言えないやり方です。

工具は集める楽しさもありますが、お金は大切です。無駄な買い物は極力なくしていきたいですね。

一から工具を揃える手順についてのまとめ

最後にまとめます。

  • 初期費用をある程度出せる方は「セット工具を買ってから必要になった工具を買い足すスタイル」が向いている
  • 自分なりの強いこだわりがあり、工具によってメーカーを使い分けたい人は「バラでその都度買い足すスタイル」のほうが合っている

あくまで個人の意見ではありますが、このように分けて考えるのをおすすめします。

あなたが工具を揃える際に、少しでもこの記事が役立つよう祈りつつ、終わりとします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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